欧米と日本の伝統工法について

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コラム 05  欧米と日本の伝統工法について

 大きな柱・梁で造る木造建築を御存知ですか?


 この建物はハーフ・ティンバ-といって欧米の伝統工法による木造住宅です。
 ハーフ・ティンバ-工法による空間を一度体感していただければ解るように、豊富な無垢材(構造体・天井・壁・床等)で構成された空間は、懐かしく、頼りがいがあり、それでいて潤いさえも感じさせてくれます。しかも理屈抜きで、大いなる自然の恵みを語りかけてきます。
 何百年もかけて成長した大木より製材された大きな柱・梁を目の当たりにすると、我々設計者は言うに及ばず、造り手の大工さんたちも気を引き締め、腕の見せ所とばかり、喜んで仕事に励んでくれます。このような大断面構造は日本の伝統工法でも扱われ、我々業界の人間だけでなく、こだわりを持つ建て主の中にも、根強いファンがおります。

 洋の東西を問わず、伝統工法は基本的に、金物に頼らず仕口と木栓で組まれます。そのため、年月とともに各材がなじみ、耐久・耐震性において神社仏閣・民家等で証明されているように、何百年ともつ実績を誇っております。
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 ハーフ・ティンバ-工法と日本の伝統工法との違いは、西洋文化の洗練された大らかな表情と雰囲気にあるように思います。日本の伝統工法の大断面に魅力を感じるのと同様に、ティンバーの持つ雰囲気に共鳴される方もかなりおられるのではないかと、今までの仕事を通して感じております。

 この住宅には、施主の要望もあって、空調機等、余分な設備はほとんど入っておりません。
しかし、住宅の本質的な部分である、豊富な木材と、魂のこもった職人の手が入っています。
 見ていただければわかるように、周囲の環境に合わせ、人の身体にも無理のない自然態のこの家は、優に百年以上は持つでしょう。きっと子孫の代になっても、変わらずその悠々たる姿を残している事と思います。 
 保障期間などと詠う以前に、そのたくましさは一目瞭然です。

 このような住宅を舞台にして日々を暮らすことが、真の贅沢であり、本当の満足が得られることにつながるのではないでしょうか?
まず必要でもない目先の贅沢より、住宅の本質を求めることが、満足な未来につながると考えます。
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田部 博一(たべ ひろかず)/田部建築研究室


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