欠陥住宅について

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コラム 04   欠陥住宅について

良い業者とか、良い大工を選びましょうとよく言われますが、悪い業者と付き合うとどうなってしまうのか?

 欠陥住宅は、驚くほど沢山あります。欠陥住宅とインターネットで検索すると、びっくりするほど関連のホームページが載っています。

 私も、時々、瑕疵建築物件の相談や調査依頼を受けます。
10年保証の法律があるにも関わらず、建売の不動産業者が様々の理由をつけて逃れようとする話もあります。因みに、その物件は検査すると、窓がほとんど全箇所雨漏りし、屋根も雨漏り、構造は全ての箇所は確認できませんが、すぐ確認可能であるたった2か所の構造金物が、2か所とも違っていました地震時の横揺れを防ぐ、火うち梁もありませんでした。

 また別件では、わざわざ苦労して、雑誌で探した設計事務所と契約し、その事務所の紹介のハウスビルダーで建てたが、仕上がりがひどいので、疑い始め、ご自分で調べたら、欠陥が見つかり、弁護士の先生に相談されてきた物件もあります。
 弁護士の先生から依頼を受け、現場を見せていただきました。
建物の納まりが、見た目にあまりにも雑なので、雨漏り検査を行ったところ、やはり一部屋根、窓に雨漏りがありました。雨漏りを見つけて建て主にお礼を言われました。せっかくの新築なのに、建主の心中を考えると本当にお気の毒です。

また、お客さんを守るために、木材の輸入業者と裁判になったこともありました。なんと、其の時は最高裁まで行きました。
 結果は弁護士の先生のおかげで、完全勝利でした。
争う金額は三百万程度のことでしたが、3年もかかりました。ちょっとした大事件並みです。

008.JPG 我々からすれば、契約書があり、再三の注意にかかわらずきちんと業者が契約を履行しないので、相手業者が一方的に悪いのですから当然の結果です。しかし、専門家に言わせると裁判の結果というものは、そうでもないのが現実だそうです。せっかくの夢の家創りも、そこまで行くと、いくら裁判に勝ったとしても、多くの時間を割き、気苦労もかかり大変です。大手の会社だからと云って安心せず、契約をする時は心してかかられるべきだと思います。

 住宅の10年保証についても、パンフレットを見ると保証制度が充実しているように記載されていますが、いざ保証会社に相談に行っても、事務的で、誠意をもって消費者のために動いてくれるわけではありません。全ての修理費が認められるわけではありませんので、修理工事費の半額が出れば恩の字が現実です。

 弁護士に相談しても、あまり美味しい話ではないらしく、親身になって相談にのっていただける弁護士を探すだけでも大変です。
 私自身も、欠陥住宅ではありませんが、公営主催の相談窓口で弁護士に相談したことがあります。
 初めは調子よくすぐ、回収してやるぐらいの勢いだったのですが、最終的には、口だけで、いい加減で誠意がありませんでした。
 あきらめて、やっと親身になって相談にのっていただける、別の弁護士の先生にたどり着いた時には、”これはすでに時効になっています”と言われたことがありました。
 もとの加害者以上に、その弁護士に対して弁護士をつけたいぐらいだと思ったことがあります。

 どの業界も同じだと思いますが、誠意をもって相談に乗ってくれる専門家は以外に少ないと思います。 我々からすると、せめて話を親身になって聞いてもらえるだけでも、大分気持ちもおさまると思います。 立場を変えて、我々、設計者も大いに反省すべきだと思いました。
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 このように、良識のない建設業者とつきあってしまうと、欠陥等トラブルがあるために、次々とさらなる別の難問が出てきます。スムーズに解決するようになるには、まだまだ、社会的に多くの事例と長い年月が必要に感じております。

 設計事務所や工事業者を選ぶ場合、会社の規模とか見てくれでなく、自分の目と肌で相手の人となりを見極めることが大切だと思います。そして、見極めたら、彼らを信じて、よくコミュニケーションをとることが必要だと思います。
 どんなに優秀な設計者や大工さんでも人間ですから勘違いやミスはあると思います。

 自分がわからないことでも一緒に現場を見ながらきちんと、専門家に説明してもらうべきだと思います。本来ならば、重要な構造などは、現場検査時に施主に立ち会っていただき、設計者や現場監督から目の前の検査項目をの説明をして、安心していただくべきだと思います。もし説明がない場合でも、建主から積極的に、説明を求めるべきだと思います。専門家は余りにも常識的なので時間の余裕が無かったりすると時々、施主への説明を省いてしまう場合があります。

 しかし、施主にとっては、其の時は安心して信用していても、別のことでトラブルがあったりすると、施主の気持の中では、きちんと納まっていることに対してまでも、だんだん心配が膨らみ、勘違いしたり誤解してしまうことがあります。

どんな小さいことでも、コミュニケーションを取っていれば、そのようなこともなくなります。
 野球でも、ファウボールを出した後は、エラーが出やすいといいます。そんなとき、みんなで一声かけあうだけで、エラーも防げることは多いようです。
 現場も同じだと思います。常に緊張が、持続されるわけではありません。声をかけあい、事故や、ミスが少ない、緊張感のある仕事が出来る環境をみんなで作るべきだと思います。

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田部 博一(たべ ひろかず)/田部建築研究室


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