良い工務店の見わけ方

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コラム 02   良い工務店の見わけ方

私がお施主様に最終的に工務店を決めていただくまでの過程を書きます。

施主との打合せでまとめた、”設計図書一式”に、見積り期間、その他の注意事項を”見積要綱”にまとめ、3~5社の施工業者に同条件の元で相見積もりして頂きます。
私自身は、お客との打合せ段階で仕様・規模は判っていますので、今までの実績よりおおよその概算はつかんでおきます。
見積に参加していただく工務店は、施主、施主の知人、銀行からの推薦など色々なケースが有ります。基本的には施主主体で選んでいただきます。
 何故なら、施主や参加工務店に対して公正であること、設計事務所と施工業者が癒着しないことを原則としているからです。
 勿論、見積もりが暴れることが予想される場合は、私の紹介の施工業者に入ってもらうこともありますが、見積条件は上記のとおり同じです。

 見積もり期間(約2~3週間)の中間時に、見積参加業者に質疑書を出して頂きます。
 数日以内に、質疑の回答書を返信いたします。勿論、質疑のなかった工務店に対しても同条件とするため、同じ質疑と回答書を送ります。
 相見積競争をした場合、たとえば、予算が3000万程度の家でも、最安値から際高値まで、上下30~50%程度の見積もり金額差が出てきます。3000万から4500万程度の金額でたいてい出てきます。以外に思われる方も多いと思いますが、どの物件も同じ条件で同じ図面でもかなりの差が出てきます。
 この段階では、各工務店の実力を判断する資料は見積書しかありません。内容をチェックします。
 一般に入札の場合、見積書は、会社で一番優秀な人が作成しています。値段が高いと、仕事は取れませんし、安値でとっても損をしてしまいます。現場での施工経験豊かな人で、感どころが良い技術者がいることを知ることのできる唯一の資料です。ベテランの手慣れた見積書は、要領を得て解り易く、早いし、価格も他と比べて決して高くありません。逆に、慣れてない方は解り難く項目も多いし、遅く、安全をみるので値段が高いのが一般的です。
 勿論、協力業者の見積書をまとめていますので、細かい所では多少の違いはありますが、一般的な傾向は同じだと思います。

中には、自分の苦手な分野は見積もりに入れずに、勝手に別工事などと平気で提出される工務店もあります。自分の会社では、一式のまとまった建物は造れないと宣言しているようなものです。はじめから、参加しないほうが恥もかかずに済むと思います。
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 外部から見て、同じ工務店でも実力が全く違うのが工務店です。私自身は、工務店の会社の規模や見栄えと、建物を創る実力は全く別物であると確信しています。その中で、見積り内容、見落としの確認、コスト比較表を作成して業者を絞ります。

更に絞った工務店に、直にお邪魔して詳しい打合せをして、仕様書・図面の捉え違いや、見積もり落とし、高い見積もり工事部分の調整をしていきます。
 同時に、その工務店の同じような構造、規模の完成物件、その他自信作、工事進行中の現場を見学させていただきます。
 工事現場を見れば、完成物件では見ることのできない構造躯体の仕様・納まり、現場での整理清掃など、工務店の現場、建物・仕事に対する姿勢・誠意・良心が確認できます。
 完成品を見せていただき、最終的な仕上がり具合も確認させていただきます。
 其の時、お邪魔した施主とのやり取りの様子を見れば、工務店を始め職人さんたちの腕だけでなく人柄もうかがえます。  

良い工務店には、自分たちの仕事に誇りを持った、良い現場監督、腕の良い大工、職人さんたちが集まっています。接していれば自然体の中にその自信と、誇りを感じ取ることができます。
人柄も良く、皆さん親切です。だからと言って、必要以上によく見せようともしません。謙虚です。
 ひどい業者は、実績があるにも関わらず、中々、自分の客にも近寄れませんし、ぎこちないものです。信じられない方もいると思いますが、そのような工務店も実際に存在します。勿論、客にも色々風変わりな方もおられますので一軒では判断できません。数件見せていただくべきだと思います。
 以上をまとめ、施主に対して、相見積もりの結果と、その後の、第一、第二候補の工務店との最終見積もり内容と金額の確認を説明します。
 最後に候補の工務店で私が見学させていただいた中から、更にピックアップした完成品や、工事現場を見てもらい最終決定していただきます。
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 営業がいなくても、規模が小さくても良い工務店は沢山あります。建物を直に建てるのは現場の職人さんたちです。会社の名前でも、営業のリップサービスでもありません。
 良い工務店を探すには、やはり自分自身で、専門家や家族と共に、あちこち足を運んで、見て聞いて体を使って確認すべきだと思います。
 会社名や、営業のトークだけでなく、造り手職人さんたちの心意気を肌で感じることが重要だと思います。

 もし専門家がついていなくても、自信がない人でも、どんな素人でも、熱意をこめて行動すれば必ず感じられると思います。
 多少の手間はかかりますが必ず確信の得られる工務店や職人さんたちに会えれば、最終的には、満足のゆく結果をもたらせてくれると思います。 


田部 博一(たべ ひろかず)/田部建築研究室



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