家相について

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コラム 01    家相について

houiban.png皆さんは家相をどのようにお考えでしょうか?

私の経験では、積極的に取り入れようとする人は言うまでもありませんが、消極的な方でも、人からケチをつけられないように、また悪いよりは良いに越したことはないという考えから、「家相に関する基本的なことは守ってほしい」と望む施主がほとんどのようです。もちろん、全く気にしないと言われる方もいます。

施主のお考えを伺うと、個人差はあるにせよ、我々日本人にとって家相は切っても切れない存在と言えるかも知れません。

立場変わって、設計の側ではどうでしょうか。
設計者にとって家相ほど厄介なものはなく、まさに鬼門であると感じている人は多いはずです。
というのも、一生懸命に取り組んだ人ほど、苦い思いをした経験をもっているからです。
私もその一人でした。
私の場合は、家相の相談を受けるたびに本屋で家相の本を探しました。皆さんも御存知のとおり、家相に関する本はたくさんあります。幾つかの本を読むと、基準となる北の取り方にしても磁北だったり真北だったり、また建物の中心の取り方や他の事柄についても様々な解釈があり、何を信じて良いのか混乱してしまいます。

image006_1_2.jpg設計者としてプランを創る上で、このちょっとした違いは大きく影響します。根本的に考え直さなければならないことが多々生じるため、設計者泣かせです。そのたびに家相鑑定者は、指摘ばかりでなく、道筋を示すラフプランの一つでも描いてくれたらと思っていました。
家相の鑑定については、解りずらい、筋が通っていない、人により言うことが違う、鑑定するたびに内容が違う、鑑定料が高い、矛盾だらけで家相見のための商売道具でしかない、と感じていました。現実にこのように感じる人達や、勘違いをしている方々も結構多いと思います。 正直言って、家相を取り入れると手間がかかるだけで、施主の望むプランからどんどんかけ離れていくと感じていました。

ある物件で神社にお世話になり、家相を見ていただきました。

驚いたことに、家相を見てくださった神主様がプランを考えて提案してくれました。私の経験では過去にこのようなことは一度もありません。プランを御自分で描かれているということは、本に載っているありきたりのこととは違い、家相上にも形を決めるときに、実践として具体的な物に対する判断があり、しかも選択の優先順位があるということです。image006_2_2.jpg
その時私は、施主の要望と、納得していただける設計のイメージとをほぼ把握している自信があったので、神主様に家相の大筋を教えていただき、細かいことはその都度指導してもらい修正することで、施主の満足する設計ができるのではないかと感じました。

「住みにくいとか法外な金がかかるというのは、家相ではありません。真の家相とは人がより生活しやすく、またその人自身がより向上するためにあるものです。家相を見てもらって、住みやすくなった、良くなったと言われるようにならないと、真の家相とはいえないのではないでしょうか」

神主様の言葉を聞き、これまでの家相鑑定者の人達とは違う内容に驚きと共感を覚えました。
その後、私の場合、家相のためにプランが思うようにできないということはなくなりました。むしろ、違う観点に立つことで設計の考え方に幅ができることもありました。そのため、ほとんどの施主が満足しています。以来、希望する施主に対しては、神社で家相を見ていただくようにしています。

001.jpg今回、神主様が神社の立場から
《千勝神社秘伝のよい家相・悪い家相 主婦と生活社》
を出版するにあたり、「これまでとは違う実践向きの本として、家相を見る人の立場だけでなく、設計者の立場からもとらえ、できるだけ多くの人に真の家相を理解していただき、一人でも多くの皆さんのお役に立てたい」 というお言葉に共鳴し、微力ながらコラムページの協力をさせていただきました。
千勝神社の家相を使えば、よほどのアクロバットや奇抜な設計をしない限り、新築でも、改築でも、小さな家でも、大きなビルでも、建物の規模・種類にかかわらずたいていの設計はまとめることができると思います。


田部 博一(たべ ひろかず)/一級建築士設計事務所 田部建築研究室




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